伊豆大島及び周辺部の地震波速度構造―2009年構造探査実験(2022年1月11日公開)


防災科学技術研究所(元 東京大学地震研究所) 森田 裕一

yu1morita@bosai.go.jp


「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」において,2009年に伊豆大島周辺沿岸でダイナマイトによる人工地震探査を実施し,伊豆大島及び周辺部の地震波速度構造を,2次元波線追跡法を用いて推定した.森田・他(2021)
本ホームページにおいて,その実験において取得したデータ及び解析結果を公開する.


実験概要

伊豆大島火山直下,及び周辺部の地震波速度構造を推定する目的で,伊豆大島周辺海域の9ヶ所で海中発破を行い,海底地震計及び陸上設置の稠密な地震計で取得した記録を解析した.実験の概要を図1に示す.この実験で取得した海底地震計,陸上地震計のデータを公開する.データの構造や詳細についてはこちらをご覧ください.


主たる結果

この実験により,伊豆大島及びその周辺部について,深さ約10㎞までのP波速度構造が推定できた(図2).なお,ここで紹介した解析結果の詳細については,森田・他(2021)を参照ください.


著作権とデータ利用時の引用について

CC-BYに沿った利用となります.論文や学会発表などを行った場合には以下の論文を引用してください.
森田 裕一・2009年伊豆大島構造探査実験グループ,2009年海中爆破実験による伊豆大島及びその周辺の地震波速度構造,
地震研究所彙報,96, 11-27, 2021 (URL:https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/BERI/pdf/IHO961202.pdf



観測データファイルこちらREADMEファイルをお読み下さい)

観測メタデータファイル

実験参加者(所属は実験を実施した2009年10月時点)

北海道大学 村井芳夫・大島弘光・前川徳光・尾崎威・一條和宏
弘前大学  菅原宗
秋田大学  筒井智樹・河野輝樹
東北大学  植木貞人・鈴木秀市・鈴木健介・渡辺貴善
東大地震研 渡辺秀文・森田裕一・篠原雅尚・望月公廣・山田知朗・及川純・真保敬・
      町田裕弥・坂下至功・長田昇・辻浩・渡邉篤志・藤田親亮・阿部英二
千葉大学  佐藤利典
名古屋大学 中道治久・道下剛史・毛利拓治
京都大学  大倉敬宏・為栗健・吉川慎・多田光宏
九州大学  植平賢司・内田和也
鹿児島大学 宮町宏樹・八木原寛・平野舟一郎



図1

Fig. 1 Location map of 2009 Izu-Oshima exploration experiment.
Stars show sea-shot points, rectangles are ocean-bottom seismometers, and black dots on the island are land-seismometers.

図2

Fig. 2 Estimated velocity structure of Izu-Oshima island and its surrounding region using 2D raytracing.
Structure outside of the colored region could not be estimated because seismic rays did not pass in the experiment.


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